悲しくなった.......クレーの絵本
2011年10月5日 音楽
三善晃さんの混声合唱曲「クレーの絵本 第1集」の東京混声合唱団によるCD(木とともに 人とともに-谷川俊太郎 作品集 フォンテック EFCD4146)が出ていることを最近知り、早速購入。ところが聴いてみて驚いた。無伴奏のはずのこの歌がへんてこりんなピアノの音で始まったのである。
すぐさまジャケトを確認したらピアノが加わっているだけでなく合唱も3声に変更されているのだ。つまりこれは新たに編曲された版による録音だったのである。聴いてみてこれは明らかに三善さんのひどい仕事と言わざるを得ないと思った。原曲は親しみやすいメロディーばかりの曲集ながらハーモーニー、リズムは極めて複雑で演奏難易度は非常に高い。加えて打楽器、ギターも必要なため実演でも取り上げられる機会が少ない作品なのである。演奏会のメインプログラムに最適な作品であると思うが挑戦する合唱団はあまりない。だからこそプロの合唱団による録音が期待されていたわけなのだが。
今回の編曲は正にそこのところを狙ったものという気がする。合唱部分は明らかに平易になり、シンバル、ギターの役割を大きく超えてピアノを活躍させている。すなわち歌い手にやっか いな部分をピアノに任せ、特にアマチュアには苦しい最高音は下げるわと原曲の魅力は大きく後 退してしまった。まあそれによってこの曲はずい分と取り上げられることになるのだろう。楽譜もたくさん売れるかもしれない。中学生でも演奏可能だ。しかしこの版を歌うことでどれだけの感動を味わうことができるのか。私にははなはだ疑問である。
三善さんはかつて男声用に書いたクレーの第2集をより広く歌ってもらいたいという出版社の要請で混声に直したが、男声版よりはるかに難しく作り直して会社を失望させている。そうでなくてはいけない。
このCDは収録されている作品がコンクールの課題曲にでもなった時のためのお手本のような性格を持つ。日本中の合唱指導者のみなさん、くれぐれも自由曲にはオリジナルの方を選択していただきますように。
すぐさまジャケトを確認したらピアノが加わっているだけでなく合唱も3声に変更されているのだ。つまりこれは新たに編曲された版による録音だったのである。聴いてみてこれは明らかに三善さんのひどい仕事と言わざるを得ないと思った。原曲は親しみやすいメロディーばかりの曲集ながらハーモーニー、リズムは極めて複雑で演奏難易度は非常に高い。加えて打楽器、ギターも必要なため実演でも取り上げられる機会が少ない作品なのである。演奏会のメインプログラムに最適な作品であると思うが挑戦する合唱団はあまりない。だからこそプロの合唱団による録音が期待されていたわけなのだが。
今回の編曲は正にそこのところを狙ったものという気がする。合唱部分は明らかに平易になり、シンバル、ギターの役割を大きく超えてピアノを活躍させている。すなわち歌い手にやっか いな部分をピアノに任せ、特にアマチュアには苦しい最高音は下げるわと原曲の魅力は大きく後 退してしまった。まあそれによってこの曲はずい分と取り上げられることになるのだろう。楽譜もたくさん売れるかもしれない。中学生でも演奏可能だ。しかしこの版を歌うことでどれだけの感動を味わうことができるのか。私にははなはだ疑問である。
三善さんはかつて男声用に書いたクレーの第2集をより広く歌ってもらいたいという出版社の要請で混声に直したが、男声版よりはるかに難しく作り直して会社を失望させている。そうでなくてはいけない。
このCDは収録されている作品がコンクールの課題曲にでもなった時のためのお手本のような性格を持つ。日本中の合唱指導者のみなさん、くれぐれも自由曲にはオリジナルの方を選択していただきますように。
コメント