N響新シーズン

2011年9月10日 音楽
N響新シーズン
 N響85周年の定期が開幕、トップバッターにはまたまたやって来てくれた(御苦労さまです)ブロムシュテット。曲目はシベリウスのバイオリン協奏曲とドヴォルザークの「新世界」。バイオリンは竹澤恭子さん。病気でキャンセルした外来の奏者に代わってのピンチヒッターだが私にしてみればむしろ歓迎である。広いNHKホールには竹澤さんのような線の太い響きが合っている(来日しなかった方のことは知らないのだが)。期待通りの演奏であった。三楽章、コントラバスの伴奏の上にバイオリンソロが奏でられる場面、美しい。ブロムシュテットのとる両翼配置のおかげで特に低弦の響きが明確になって心地よい。シベリウスはブロムシュテットの得意分野ながら本日は竹澤さんに沿った演奏だったように思える。
 「新世界」。神経質になりがちな冒頭は意外とあっさりとした開始、でも提示部の繰り返しを実行するなど思い入れはたっぷりである。二楽章はとにかくイングリッシュホルンのソロが上手すぎる。凄い。誰なんだろう。これだけ聴けただけで幸せ。後半楽章も息切れすることはない。三楽章のトライアングルはやや活躍が抑えられていたような気もするけれど。ブロムシュテットの登場で会場もいっぱい。素晴らしいシーズンスタートとなった。

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