コシュラーの「幻想」
 いつものようにだらだらとオークションを覗いているとコシュラーの「幻想」を見かけた。随分と昔の盤である。コシュラーは毎年のように来日していて私にとってはとても親しみのある指揮者だった。けれども発売当時は特に引かれることもなく、この盤自体の評判も聞こえてこなかったので当然買うこともなかったのである。ところがオークションの写真にあった第三楽章の演奏時間19分9秒というのを見て、俄然意欲が沸いてきた。大好きな「野の情景」の平均的な演奏時間は17分弱なのである。ゆっくりなのか、あるいはどこか繰り返しの実行があるためなのか?
 幸いほかに欲しいという人もなく落札。結果はゆっくりの演奏でした。3楽章に限らずテンポは遅め。チェコフィルは美しく気持ちが良いが、コシュラーの指揮はうすっぺらな感じを受ける。聴かせどころをわかっていないというか....。手の内の作品ということではなかったということかもしれない。3楽章にしても16分台前半の小沢=斉藤記念の最新盤の方が印象としては遅いくらいに感じる。もちはもちやということなのか知ら。

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