先月、日本になじみの深い巨匠の指揮するベートーベンの田園交響曲のCDが発売された。
まずはフルネ(フォンテック FOCD9351)。98年東京都交響楽団の定期演奏会での演奏で、氏の85歳の時の記録である。これは本当に素晴らしい演奏である。単なるメモリアル的な売られ方をされるのには惜しい、惜しすぎる内容だ。都響も定期だからか気合がはいって大変美しい。冒頭から理想的なテンポで曲が進み、2楽章の管のアンサンブルもオケはよく応えていると思う。終楽章の安らかな表現も期待をはるかに超える文句のつけようのないもの。エヴァグリーンと呼ぶに相応しい田園の登場である。
二枚目はマタチッチ(コロンビア COCQ84431)。こちらは再発盤。82年のライブと言うからこれも80歳をこえた時の演奏である。オケはローザンヌ室内管弦楽団。細かなミスも結構目立ち、弦楽器ももう少し綺麗だったらと思うところもあるのだが、二年後のN響客演での彼の指揮ぶりとは明らかに違ってかなり細かに指示をしている感じが見て取れ、マタチッチの田園がどういうものかが良くわかる演奏であるといえよう。最後の来日で7番ではなく、こちらを聴いてみたかった。
3つめ。この夏にも発売されるという超話題盤。カルロス・クライバーがウィーンフィルを指揮したというものである。クライバーがウィーンフィルの定期をすっぽかした時のリハーサル時の演奏で、大スキャンダルとなった当時でも、リハーサルでの素晴らしさは伝えられていた。本番を周到に録音準備していたデッかは、リハーサル初日からそのすべてを収録していたのだという。録音の存在自体はよく知られていて、CBSが収録して同様にお蔵入りしている「英雄の生涯」とともに発売が期待されていたものだった。オルフェオからすでにミュンヘンでの演奏が発売されているから彼の田園がどんなものになるのかは想像できる。リハーサルの音源で作られるのなら、編集なしのリハーサル風景も聴いてみたいものだ。
まずはフルネ(フォンテック FOCD9351)。98年東京都交響楽団の定期演奏会での演奏で、氏の85歳の時の記録である。これは本当に素晴らしい演奏である。単なるメモリアル的な売られ方をされるのには惜しい、惜しすぎる内容だ。都響も定期だからか気合がはいって大変美しい。冒頭から理想的なテンポで曲が進み、2楽章の管のアンサンブルもオケはよく応えていると思う。終楽章の安らかな表現も期待をはるかに超える文句のつけようのないもの。エヴァグリーンと呼ぶに相応しい田園の登場である。
二枚目はマタチッチ(コロンビア COCQ84431)。こちらは再発盤。82年のライブと言うからこれも80歳をこえた時の演奏である。オケはローザンヌ室内管弦楽団。細かなミスも結構目立ち、弦楽器ももう少し綺麗だったらと思うところもあるのだが、二年後のN響客演での彼の指揮ぶりとは明らかに違ってかなり細かに指示をしている感じが見て取れ、マタチッチの田園がどういうものかが良くわかる演奏であるといえよう。最後の来日で7番ではなく、こちらを聴いてみたかった。
3つめ。この夏にも発売されるという超話題盤。カルロス・クライバーがウィーンフィルを指揮したというものである。クライバーがウィーンフィルの定期をすっぽかした時のリハーサル時の演奏で、大スキャンダルとなった当時でも、リハーサルでの素晴らしさは伝えられていた。本番を周到に録音準備していたデッかは、リハーサル初日からそのすべてを収録していたのだという。録音の存在自体はよく知られていて、CBSが収録して同様にお蔵入りしている「英雄の生涯」とともに発売が期待されていたものだった。オルフェオからすでにミュンヘンでの演奏が発売されているから彼の田園がどんなものになるのかは想像できる。リハーサルの音源で作られるのなら、編集なしのリハーサル風景も聴いてみたいものだ。
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