遥かなる、序曲「フス教徒」
 先週のこと、シカゴ交響楽団がかつてリリースしたラファエル・クーベリックの二枚組みメモリアルCDの第一集が久しぶりにヤフーオークションに登場した。何度か落札を逃していたので今度こそと思ったのだが駄目だった。うろ覚えに2,3年前に出された時は2万円弱だったように記憶していたので3万円で十分いけるのではないかと思っていた。結果は5万円にも届くかというところで、さすがに今回は見送った。最後まで3,4人の人が競っていたので、暫くは出てもその価格帯でしか買えないだろう。その買い方からみて団塊の世代の人たちなのか知らとか思ったりもした。
 第二集のほうは今でもシカゴ響のサイトから買うことは出来るのだが、こちらが発売されたのはまだインターネット創世記の時分で、おそらく当時のタワーレコードの店頭に並んだものくらいが日本にあるだけなのではないかという貴重盤。このCDにはシカゴに客演した際の貴重な録音が収められているわけなのだが、とりわけ91年秋の楽団創立100周年を記念して行われた歴代常任指揮者が一堂に会したガラコンサートでのドボルザーク作曲、序曲「フス教徒」が聴きものなのである。彼の生涯をたどるドキュメンタリーでもこの時の演奏の終わりの部分の音源がほんの少し紹介されていて、シカゴの金管陣の圧倒的はファンファーレによるフィナーレ、そして熱狂する観衆にとても興奮させられた。残念ながら今回も入手出来なかったけれど、これは是非いつの日か映像で出てきて欲しいものだと改めて思った次第。この曲の録音では近々、独オルフェオから彼のライブシリーズとしてミュンヘン時代の演奏がシェリング独奏によるブラームスの協奏曲とのカップリングで発売になる。当面はそれを楽しみに待つとしよう。

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