ジークフリート牧歌のCD
 先週半ば、ヤフーのオークションを見ていたらクーベリックがバイエルン放送響を指揮したワーグナーのジークフリート牧歌のCDが出ていた。カップリングされているのは若杉弘さんのドレスデン時代のこれも懐かしいワーグナーの序曲集である。私はこのようなCDが出ているのを全く知らなかった。しかも商品の写真を見ると91年に出されたものらしく、どういうこのなのか知らと思ったのだ。
 クーベリックによる同曲の録音は60年代のベルリンフィル(グラモフォン)のものと、79年にバイエルン放送響とCBSに入れたものの2種。後者はブルックナーの第四交響曲とともにLP二枚組で発売された。CD化にあたってはまずブルックナーが一枚で発売されてしまったので、ジークフリート牧歌のほうはCD化のタイミングを失ってしまったのである。ソニーが少しでも良心的であったなら、すぐ後に3枚組で発売されたシューマンの全集に組み込めばすんなりCD化できたはずなのに。結局CD化されたのは96年。クーベリックが亡くなった年の暮れ、10枚組のメモリアルボックスの特典盤としてであった。広告には初CD化と書かれていたはずである。さすがに私はこの特典のためにすでに持っている10枚をダブって買う気にもなれず単売を待っていたのだが、その後もそのセットが一度再発された以外は単独で売られることはなかった。なのにこの盤の登場である.......。
 落札して現物が届いてなんとなくわかった。これは一般のレコードショップ向けに作られたものではなく、ソニーファミリークラブのような会員向けのCDらしいのである。
 とにかくこれでいつでも気軽にこの演奏を楽しめるようになった。ベルリンフィル盤よりゆったりとしたテンポ(あの遅すぎるグールド盤に抜かれるまでは最長だったのだから)で、弦、管ともにいっそう素晴らしいものである。

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