都響2月定期

2006年2月6日 音楽
都響2月定期
3年振りにヤン=パスカル・トルトゥリエがやってきた。私が聴くのは二度目。前回とても良かったので期待大だ。プログラムは
 リスト 交響詩「レ・プレリュード」
 バルトーク ビオラ協奏曲
       管弦楽のための協奏曲
 メインはなんと言ってもブルーノ・パスキエを迎えたビオラ協奏曲。なじみの薄い曲なのはオケのメンバーもいっしょ。開演前のステージではオケパートをさらう楽員が多かった。パスキエ氏は昨年春に来て「イタリアのハロルド」を弾く予定だったのだが、指揮者のフルネさんが曲目の変更をしてお流れとなったため、改めて来日ということになった。氏が弾く曲も変わった形になったが、これはむしろ幸いだった。今回じっくりこの曲を聴いてみると、やはりこれは傑作だと思った。おそらくこの曲があまり演奏されない理由の一つとして、未完の作品であり、多くの部分が死後、補筆という形で完成されているということもあるのかもしれない。でも、補われた部分もとても良くできていると思うし、楽章のバランスの悪さも気にならない。舞台に登場したパスキエ氏は写真の雰囲気とはちょっと違ってバイオリンのギトリスを感じさせる人。さらりとビオラを弾き始めるとなんともいい音が出てくる。特に音の立ち上がりの切れが良いので、バルトークにはうってつけとみた。速いパッセージも楽々で、あっという間に全曲を終えた。
 トルトゥリエは指揮棒を持たずに、体全体で指揮するスタイル。細かなフレージングも可能な限り指示するような指揮ぶりなので、見ていてとても面白い。リストの曲などはあまり振ったことがないのか明らかに振り遅れているようなところもあって笑ってしまった。後半のオケコンは得意科目だろう。オケもビオラ協奏曲を終えてすっかりリラックスしていた。ものすごくゆっくり始まった序奏を除いてはまずはオーソドックスなテンポ。管楽器も絶好調でトルトゥリエは指揮台の上で踊りまくっていた。また来て欲しい。

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