ラファエル・クーベリックの芸術
 21日にユニバーサルから一枚1200円で、クーベリックが60年から70年代にグラモフォンに入れた録音が再発売された。今回の再発で嬉しいのは、全31枚のうち21枚でオリジナルLPのジャケットが使われているという点である。特にクリムト画によるマーラーの全集9枚は壮観で、並べて飾っておくだけでも嬉しくなってしまう。バルトークやハルトマンの絵画も美しい。
 LP1枚=CD1枚ではないからオリジナルのものにいろいろとカップリングされていて、全世界初CD化となるストラビンスキーやマルティヌーのピアノ協奏曲などが含まれている。特にウェーバーとの共演のマルティヌーは素晴らしい。初CD化の録音以外は全てCD、LPで持っているものなのだが、それでも今回の形での発売の意味は大きく、まず20枚買ってみた。
 その中で違う意味で意義ある一枚。LP時代でも単売されていなかったドボルザークの第5交響曲。CD全集では収録の関係で曲が2枚のCDに別れてしまっていたものだ。特に国内盤の全集を持っている人はこのCDを必ず買うべきである。続けて演奏するよう指示のある2楽章と3楽章のあいだでCDを交換しなくてはならなかったのだから。(海外盤は3楽章と4楽章で入れ替え)
 今回1点だけ、チェレプニンのピアノ協奏曲の発売が予定されながら、中止となってしまったのは残念。あまりにマイナーなもののせいか。次回は彼のオペラのシリーズをお願いしたい。

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